ウルトラマンレオの主演俳優インタビューが面白い。「あのジープは中古車で、ブレーキを踏んでも…」


と書いてあったので、読んでみた。

news.mynavi.jp

すごく面白かったところが、いくつもある。

――第6話での、ダン隊長が乗るジープにゲンが追いかけまわされる特訓というのは、特に印象的でしたね。本放送からずっと後になって、バラエティ番組で取り上げられて話題になったりしました。

あのジープは中古車で、急ブレーキをかけても6メートルくらい前に進んじゃうんです。それなのにスピードを出しているものだから危なくてね。テストで走っていると、ふくらはぎのところに車輪が当たってくるんです。もしもつまずいたら、完全に轢かれる! ヘタすると死んじゃいますから、東条昭平監督に「危ないじゃないですか!」って猛抗議したんですよ。すると監督は僕の言葉をずっと聞いているかと思ったら「はい本番!」って(苦笑)。僕としては、監督に抗議している顔のまま、撮影に臨んでいるわけでね。ファンのみなさんがよく「ゲンの目の芝居が真剣で良かった」って言うんだけど、あれは芝居じゃなくて本気で怒っている目だからです(笑)。「隊長、やめてください!」ってセリフで言っていますけれど、あれは「監督、やめてください!」って思いながらやっていたんです。

こち亀両さんがスタントマンのアルバイトをしたとき、知らない間にどんどん演出がエスカレートして「車から落ちる」→「車を衝突させる」にエスカレート、→最後は「崖から落とす」…、となりかけたとか、戦争映画のロケに、本物の三八式歩兵銃を持った度井仲県の巡査が乱入するとか、「映画撮影のムチャ」をネタにした笑いはよく目にするし、大好きなのだが…『撮影に使う車が中古で、ブレーキを踏んでも6メートルほど進んじゃう』『その車で、人間が追われるシーンを撮影した』『視聴者から「目が真剣だった」と褒められた』って、あまりにギャグとして出来が良すぎるだろ(笑) いやギャグになんねーよ!!ジブリがブラックだとか、そんな次元じゃないから!!


同じネタで

第32話(さようならかぐや姫)のとき40度の熱を出してしまって……。歩くだけでフワフワしてしまう感覚だったのをよく覚えています。後になってファンの方から「ラストでかぐや姫が去っていくとき、ゲンの瞳がうるんでいたのがよかった」と言われたことがありましたけれど、あれは熱でもうろうとしていただけだったんじゃないかな(笑)。

しかし、その後はいい思い出に。

とくにメビウス出演の時の話が泣かせる。

全滅したMACの仲間や命を失った親しい人たちの弔いをするために、これまで托鉢の行脚をしてきた、というのがいちばんおおとりゲンらしい行動だと思った。それで、あの僧のスタイルにしたいと僕から提案したんです

そして、かつて劇中で、ウルトラセブンに言われたセリフを、そっくりそのままメビウスに言うという闘魂伝承をしていたのだった。

「その顔はなんだ!? その目はなんだ!? その涙はなんだ!! そのお前の涙でこの地球が救えるのか!?」って喝を入れるんだけど、これって昔、ゲンがダン隊長に言われた言葉(第4話)なんだよね。

そして、なんと言ってもここ。彼は、あまりその後、ウルトラ関係のイベントとかに出演しなかったのだが…特に注目して。

レオファンのお父さんに連れられて小さな子どもが会いに来たことがあったんですよ。でもその子にとっては『レオ』のおおとりゲンは24歳のときの僕の姿であって、40代の僕ではイメージができないんですね。そんな出来事があって、子どもの夢を壊してはいけないなと思い、意識的にファン向けのイベントへの出演を控えたりしていました。でも『メビウス』に出てからは、子どもたちからも「ミライと一緒に戦ったレオ、おおとりゲンだ!」と認識してもらえるようになってね。またファンのみんなの前に出るようになりました。

またも泣いた。
特撮番組で主演とかした人が、その後イベントやインタビューを避けがち、という話はよくあり「今は本格俳優。、子供番組の経歴は触れたくない」との意識なことも多い(そして、それは仕方ないことである)。
だが、逆にこういう人もいるのだ。


どんな形であれ、これからも末永く、ウルトラの物語(バックステージのほうであっても、それはウルトラの物語だ)を、語り継いでいってほしい。

ウルトラヒーローシリーズ 07 ウルトラマンレオ

ウルトラヒーローシリーズ 07 ウルトラマンレオ

増田俊也氏が「続・木村政彦外伝」さらには「王貞治、畑正憲、鳥山明の評伝を準備中」だとか


はい、メモしておきましょう
木村政彦の評伝で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した増田俊也氏が、いま「王貞治さん、畑正憲さん、鳥山明さんの評伝の準備」をしている、と。



増田俊也氏と、鳥山明氏と言えば、こんなツイートが過去にあった。



上で画像引用されている日刊スポーツの中に「続・木村政彦外伝」構想の話も載っている。

木村政彦 外伝

木村政彦 外伝

VTJ前夜の中井祐樹

VTJ前夜の中井祐樹

亡くなった田中信夫さんは「川口浩探検隊」や伝説の「猪木vs藤波エンディング」の声だったそうだ。




後者のほう、リアルタイムでこの演出を覚えているわけじゃない(試合は見た)けど、その後、伝説となって何度もファンによって語られた。
松尾芭蕉の語る「日々旅にして、旅をすみかとす」というのは、巡業につぐ巡業がつづくプロレスラーの人生も、バンドマン、音楽グループのコンサートやツアーの旅暮らしも似たところがある。


そこに着目して、うまく重ね合わせたこの演出はだから琴線に触れる。
自分、この歌のデータ「プロレス」のフォルダに入れてるものな。(笑)


旅姿六人衆

旅姿六人衆

こちらはコピーバンドの歌

サザンオールスターズ「旅姿六人衆」 by 桑田研究会バンド

パンクラス、大会300回を記念し本日(10月18日)abemaTVでベストバウト集


修斗古参ファン「うしをたおせ」さんの山本KID徳郁追悼ツイート

うしをたおせ さんといえば、修斗を非常に近いところから、そして長い間見つめ続けてきたファンの第一人者。
この方の、9月の山本KID逝去に際しての追悼文。



























山本KIDが宮田戦の裏話を語る

最近の「カイジ」やニセ「自転車日本一周」逃亡犯って、一種の「社会的鬼ごっこ」かも。







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ホームズはぞんざいに言った。「もし君が話さないと言うなら賭けは終わりだ、それだけだ。しかし僕は鳥のことなら、いつでも喜んで賭けをする人間でね。僕は自分が食べた鳥が田舎育ちだという方に五ポンド賭けたんだ」

「そうかそれじゃ、お前は五ポンドすったな。あれは町育ちだ」店員は鋭く言った。

「そんなことはない」

「そうだと言っているんだ」

「信じられん」

「子供の頃からずっと鳥を扱っている俺より鳥に詳しいと思っているのか。いいか、アルファに行った鳥は全部町育ちだ」

「そんなことでは信じられんな」

「それじゃ賭けるか?」

「自分が正しいと分かっているから、単に君から金を巻き上げるだけだがね。しかし偏屈になるべきじゃないという勉強代に一ソブリン賭けよう」

店員は不気味ににやりと笑った。「帳簿を持ってこい、ビル」彼は言った。

少年は小さな薄い冊子と背表紙が物凄く脂ぎった物体を持ってきて、吊るされたランプの下に並べた。

「さあ、それじゃ、ミスター自惚れ」店員は言った。「俺はガチョウは品切れと思ったが、しかし俺が店じまいする前に、うちの店にまだ一羽いたと分かるだろうな。この小さな帳簿が分かるか?」

「ああ?」

「俺が誰から仕入れたかという一覧だ。分かるか?それじゃ、このページにあるのが田舎の連中だ、そして名前の後ろにあるのが、大きな元帳の勘定だ。では、この別のページに赤インクで書いてあるのを見ろ、これは町の供給者の一覧だ。三番目の名前を見ろ。ちょっと俺に読んでみてくれるか」

illustration
「オークショット夫人,ブリクストンロード 117 - 249」ホームズは読み上げた。

「その通り。じゃその元帳を引いてみろ」

ホームズは指示にあるページをめくった。「これだ、オークショット夫人、ブリクストンロード 117 卵と鳥の供給者」

「それじゃ最後の記録はどうなっている?」

「12月22日。24羽のガチョウ 七ペンス六シリング」

「そのとおり。そこだ。下になんて書いてある?」

「アルファのウィンディゲート氏に販売 12シリング」

「何か言うことがあるか?」

ホームズは物凄く悔しそうな顔をした。彼はソブリン金貨をポケットから取り出して、台に投げ捨てて、口も聞きたくないほど腹立たしいという様子で背を向けた。何ヤードか離れてホームズは街灯の下に立ち止まり、彼独特の、心の底からおかしそうな雰囲気で声を殺して笑った。
「ああいう風に頬髯をカットしている男で、『ピンク・アン』がポケットから飛び出しているのを見たら、賭けを持ちかければ必ず引っかかる」ホームズは言った。「あえて言うが、もし奴の前に100ポンド積んでいたとしても、賭けを持ちかけるというアイデアで僕が彼から引き出したほど完璧な情報は入手できなかっただろう。さあワトソン、僕の考えでは、調査はもう終わりに近い。(後略)」


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完全失踪マニュアル

完全失踪マニュアル




gigazine.net

学研まんがを読んでた自分は「女の子が頭のいい役」に慣れてたって個人的な話

理系学習マンガは誰を先生役にし、誰を生徒役にしてきたか。-NHKキズナアイ騒動をうけて - 銀河孤児亭 (id:adenoi_today / @adenoi_today) http://d.hatena.ne.jp/adenoi_today/20181009/1539098342

とても素晴らしい傑作研究
自分も、同じようなテーマでちょっとだけツイートし、あとで書こうと思っていたのだけど、これだけ素晴らしい研究があれば不要だろう
というか、自分の観測範囲はまるでちがっていて「昭和の学研まんが・ひみつシリーズ」、それも内山安二先生を中心としたものばかりだったからね





最後の「男の子はバカな一方で、すごく行動的で積極的な役割を担う。失敗も間違いも含めて主役」という話は、最初に紹介したリンク先のブログでも書かれている。

元の騒動ではジェンダーギャップとして「先生役が男性で聞き手が女性」というステロタイプが批判された訳だが、実は生徒役に男女両方が配置された場合のステロタイプというのも多少あって、概ね女の子の方が真面目で勉強ができるタイプ、男の子の方が勉強嫌いで奔放なタイプが配置されやすい。本書はまさにそういったキャラクター設定で書かれている。
こうしたステロタイプもこれはこれで「女の子は大人しくしていなきゃ」という抑圧の現れとも取れるし、「男の子なんて基本バカ」という偏見の現れともとれるのだが、その辺もやはりジェンダー学的には批判対象なのだろうか。

ちなみに、ほんとに調べるとかじゃなくて、自分の体験談でいうと、説明役が女性だったのは「忍術・手品のひみつ」という本でした。「おねえさん」だったな。

内山安二は平均的には、ボケの男の子(トラブルメーカー)、それよりは賢いけど、完全に正解を説明するまでにはいたらない女の子、彼ら彼女らがやり取りして論点整理したところに説明役が来るのだが、ひげの博士やおしょうさんのほか、おばあさんが説明役なこともあった。あれは単純にスターシステムかな。

内山安二の作品集が電子書籍に最近なったのは本当にうれしい。

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

できる・できないのひみつ (学研まんがひみつシリーズ)

コロ助の科学質問箱 (学研まんがひみつシリーズ)

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